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ネイティファス
淫語ボイスドラマ製作サークル ネイティファスのブログです。

SS リミットトランス∞

久々のSS。
搾取主体の洗脳誘惑系アイドルグループで、一曲ごとにそれぞれテーマがあったらと思い書きました。
説明が大目で後半言葉責めがあります。

今回は足ですが。他の曲では手とか魔物のスキュラに扮してとかも考えています。


 リミットトランス∞ レッツ足裏パラダイス♪編
  

 リミトラことリミットトランス∞(インフィニティ)は、今や押しも押されぬ超国民的人気アイドルグループである。今までのアイドルの常識を覆す経営戦略により莫大な人気とその礎を築いた。
 その活動形態において、最も顕著と言えるのは特に決まった人数を定めずに、まるで無限に広がる宇宙のように流体し続けているのである。その人数は最低二十数人から、最も多い時では百人すら超過する時もあった。
 ただしグループ名の無限大の意味は、決してそれだけに止まることはない。無限に広がる少女達の限りない可能性。それがリミットトランス∞に秘められた真のメッセージなのである。
 従順、可愛らしい、親しみやすい、優等生。そんな既存の美少女アイドルグループの価値観は、リミトラの登場により脆くも崩れ去ったと言っていい。それほど彼女達の登場は衝撃的だった。
 まず彼女達を一目見て、度肝を抜かれるのはその奇抜な衣装である。とても少女が着用するものとは思えない、扇情的で破廉恥でエロティックな感情を抱かずにはいられないものだった。
 超ミニスカとノースリーブおへそチラ見せは標準装備。一度カメラのアングルを歪めれば、うっすらと汗ばんだ肌に食い込む純白の下着や、桜色のぽちっとしたスイートストロベリーが見え隠れしてしまう。
 もちろん彼女達も、自分達がそういう目で見られていることは知っている。知っているからこそアイドルとして必死で演技するのだ。
 熟れた女性のようにしなを使い魅惑的な媚を売る。しなやかな肢体を妖艶にくねらせて、男を狂わせる魔力を持ったとびっきりのウインクを情熱的に送る。足元を際どくすべるカメラに向かって、健康的な若肉の美味しさをこれでもかと見せ付ける。まだ発展途上の胸をいじらしく寄せて、ずれかけた肩紐を添えてほのかに浅い谷間をアピールする。
 だが肉体より勝るのは、やはりころころと瞬きを繰り返す少女元来の純粋な表情だった。笑い泣き、共に喜び時には怒る。リミトラの歌の歌詞には首尾一貫したストーリーがある。他のアイドルグループには全く欠けた要素、それがリミトラにはある。
 決して綺麗ごとだけでは終わらない、人間の裏側に潜むドロドロの醜悪な感情を、この可憐な十代が多数在籍するアイドルグループが表現しているという事実は何とも時代錯誤でもある。
 退廃、崩壊、無法地帯が広がった地獄を妄想させる世界感。彼女達の住む世界には希望だの愛はもはや存在しない。親への愛、友人への友情、故郷を思う慕情。そんなのはくそ喰らえだと彼女達は考える。
 あるのは略奪強奪、狂気に満ちた魑魅魍魎達がこの世を支配する地獄絵図。強き者が利を得て弱気ものが地を舐める。そんな真っ向からの弱肉強食の世界の中で生み出される倒錯したリビドー。それが彼女達の求める理想の境地なのである。
 決して停滞することはなく常に進化し続ける。その限界ぎりぎりまで煮詰めた先に、果てしない快楽の園が待っている。強大な野心を持った少女達の挑戦は、未だ止まることなくその大いなる潮流を邁進し続けている。




「うふふ……。初めまして落田さん」
「あっ、ああ……」
 落田伸章は、目の前の少女の美貌に圧倒されて、ただ頷いた。
 彼は裏世間において一目置かれているトレーダーだった。普通の人間が一生涯かけて手に入れる収入を、ほんの一晩、それもほんの指先一つで稼ぐようなこともあった。
 天賦の才能に恵まれてもいたし、なおかつ彼には絶妙な嗅覚ともいえる運があった。
 この世界は、一瞬で莫大な借金を背負ってしまうことも少なくはない。落田はやっとつかんだ栄光の階段から、あっけなく足を踏み外し、真っ逆さまに地獄へと転落してしまった人間を何人も見てきた。
 やめられない。稼げば稼ぐほど後には引けない。勝ち続けるしか生き残る道はない。人生を何回か繰り返せる財産を築いても、いつ急転直下の大惨事に見舞われるかわからない。
 落田はその一点においても極めて優秀であったから、ここまでの財を築けたといっていい。大胆に見えて、実は緻密に濃縮計算され尽くした取引。はたからでは強引に思えても、彼にとっては赤信号が次に青信号になるぐらいの確実にセーフティな出来事だった。
 用意周到、何重にも策を張り巡らせて致命的なデットエンドを回避する。抜かりなく、着実に、牛歩の歩みで歩を進める。落田はやはり天才だった。無意識にも意識的にも。
 ただその精緻に組み込まれた歯車が、無垢な少女の手のひらで狂わされてしまうとは、落田には全く思いもよらないことだった。
「私は水蓮院亜矢乃と申します。リミットトランス∞のリーダーでございます。アヤノ様、とよく呼ばれていますわ。以後お見知りおきを……」
 少女がかしこまってちょんとおじぎをした。
 見るからに育ちのいいお嬢様といった風情だ。くるくるカールする長い髪を結わえて後ろに束ねている。目鼻立ちはくっきりと整い、成長すれば今よりももっと美人になるのは明白だった。加えて穏やかな笑み。所作一つ一つに満ち溢れる気品。まるで一家の女主人のような、ほとばしる威厳が彼女にはあった。
 もう他に二人。落田はめくるめくリミトラの少女達、しかもそのトップ3にハーレムともいえる寵愛を受けていた。
 リミトラにまつわる都市伝説で『儀式』というものが存在する。一定以上のお布施をしたものだけに許される、崇高な『儀式』である。
 あまりに情報の出所が定かではないので、全くのほら話であると認知されているが、実はその招待は本当に選ばれた者だけに送られるのである。
 落田はほんのはずみでリミトラのファンになった。世間で言われるような、強引な販売方法も特に思うことはなかった。百万二百万アイドルに使おうが、彼にとっては何の足かせにもならない金額だったから。むしろ新曲を買い情報を集め新しいものにふれ、コンサートにあしげに通う安い趣味だと考えていた。
 いい年してアイドルなんて……と始めこそ思ったが、その考えはリミトラの重厚な世界感に浸るようになってから改めることになる。昨今のアイドルには皆無の、ディープで危険なエロスがそこにはある。普通ならのぞいてはいけない、グロテスクな一面が年端もいかない少女達が演じている。
 そこの事実に落田はただならぬ感銘を受けていた。もちろん彼も男であるから、わざとらしくあざとい挑発的なポーズと仕草を見たい気持ちもあった。しかし彼を突き動かしたのはそれだけではなかった。
 よくはわからないが、かすかに共鳴するような懐かしい気持ち。そんな自己のアイデンティティに関わるような大事な部分に、すっと小悪魔なキューピッドに矢を射られたような気になってしまったのだ。
 落田はその感情を胸にそっとしまいこんだ。なぜだろう。一時の気の迷い。こんな魂胆見え見えのお色気と、じっくり見れば安っぽい三流のエログロ世界に。
 自分が今夢中になっているのも、すぐ熱が冷めるだろうと思っていた。所詮はアイドル。アイドルの意味は偶像。いつかは真実を知る偶像崇拝そのものだから。
 そういうわけで、今回落田が『儀式』と思われる招待を受けたのは、軽い冷や汗を背中にかく結果となった。
 巷で噂でされている『儀式』の実態。謎に満ちた魔性のアイドルグループが、一体裏でどんな密戯を繰り広げているのか。
 そりゃこの人間の欲望渦巻く界隈だから、後ろ暗い部分なんていくらでもあるだろう。リミトラはなおさらそういうダーティーな手段で売り出している。
 ちょっと金を使いすぎたかな、と落田思った。『儀式』の招待は噂ではお布施の多寡で決められているという。
 だがいくら自分が金持ちとは言え、一般人が背伸びしたぐらいの金額しか使っていないのだ。それも目立つような買い方はしていない。あくまでも普通の人として、一般人として。
 落田はこの世界では一目置かれているが、一般世間には表立って顔を広めていない。そんなことをするのは無駄だと思うし、むやみに印象と敵を作っても仕方がない。なにより落田自身が極めて引っ込み思案で人見知りな性格だった。特に難しい人付き合いはなくとも成功できるトレーダーを選んだのもそれが大きい。
 だとすると今回の招待は不思議に思うことがあった。お布施の順でというものの、そのお布施で招待を受けるというのも至極怪しい。いちいちそんなもの一人一人選んでられるだろうか。いや、購入した者の中からランダムで選んでいるのかも。それにしてはかなりの天文学的な確率だった。
 落田の推論は回り回った。が、結局招待を受けることにした。もし自分を選んでいたとしても、別に構わない。最悪いきなり殺されるはずはないだろうと思っていた。
 落田は楽観的だった。マネートレードにおいて、抜群の嗅覚と感性を披露する彼でも、この時ばかりは危機感が欠如していた。
「もー。さっきから何ぼーっとしてるの? あっ私は須藤桃子ことモモちゃんでぇ~す♪ といってももう私のことは知ってるよね? だってこのふくらみかけのおっぱい……それっ♪ ぷるぷるぷるる~んできゃぴきゃぴっ♪」
 ほんの数秒、思考に手間をかけていた。その寸隙を見かねたのか、アヤノの左隣にいた元気とおっぱいがはちきれんばかりの少女が飛び上がった。
 彼女はモモちゃん。自称ふくらみかけの美乳おっぱいがチャームポイントだ。ただそれはモモちゃん自身が言っていることであって、決してふくらみかけではない。むしろ成人女性に匹敵するぐらいの凶悪なおっぱいサイズだ。それをふくらみかけ、なんてワードでごまかすのは小悪魔としかいいようがない。
 くっきり二重瞼で睫もかなり長い。それでいて驚くほどの小顔ゆえに、顔に占める眼球の面積が大きい。アニメの少女とは言わないまでも、じっと見つめられるとその淡い瞳の奥に、永久に吸引されてしまうぐらいの魔力を感じる。
 子供っぽい八重歯も魅力的だった。どこもかしこも愛くるしい。小さな顔に小さな顎。ちょっとはにかめば天使の微笑がこの世の全ての男を灰に帰してしまう。
 つぶらな少女の魅力をぎゅっと詰め込んだ存在。それがリミトラトップ3に君臨するモモちゃんというエンジェルだ。
 そしてその可愛さキュートさに抗うように自己主張するのがおっぱいだ。
 リミトラの衣装はほぼ脇やおへそが甘いし、胸元もかなり甘い。上から覗き込むようなカメラアングルでは乳首が簡単に見えてしまう。そんなドッキリショットを望む男性も多数存在するだろう。
 恥ずかしげもなく際どい衣装を着て、歌い踊る少女。汗ばむ肌、甘い息遣い、はだけてずれかける肩紐。
 ほとんどの少女はそんな自分の痴態に無関心である。どれだけ自分が男の欲情を煽っているか。知ってか知らずかほとんどが無関心を決め込んでいる。
 そしてその穢れを知らない無関心さ、純真さに男は欲情する。何も知らない女の子。小さい女の子。そんな女の子が破廉恥な衣装で性的な歌と踊りを繰り広げる。性に目覚める前のぎりぎりの貴重な一瞬。一度逃したら二度ともどってこない瞬間。そのキラキラしたはじける情熱に、男は魅了され翻弄されるのである。
 それでも中には理解している子もいる。言い方は悪いがこの年でビッチ、セクシーアピール満載の子も存在している。これが意図したことなのかは知らないが、無垢な少女達に混じって、不意打ちのように媚態を見せ付けられると男はたちまちメロメロになってしまう。
 カメラが向かえば、嬉々として腰を振り小ぶりのお尻を突き出し官能のダンスを踊る。それはもうセックスの誘いと言っても過言ではない。だらしなく舌を出し目を細めて挑発、くいくいと手招きしては投げキッスを送る。
 そんなリミトラのセクシーガール筆頭が、今ここにいるモモちゃんだった。
 彼女の巨乳をおしげもなく使った挑発は実に手馴れていた。カメラのアップはまずモモちゃんの胸にいく。舐めまわすようないやらしいアングルで、ねちっこくストーカーのように追い掛け回す。
 だがそこでモモちゃんは少しも嫌な顔なんてしない。むしろ喜んで白い胸元をカメラに晒すのだった。揺れる美乳、リミトラの中で一番の巨乳。ほぼつるぺったんな他メンバーの中で、彼女の存在は否が応にも目立ってしまう。
 誘うようにおっぱいを潰す。もっと見て? と言わんばかりに前かがみになり、真っ赤な舌をぺろりと出して大人の誘惑を仕掛ける。カメラのアップはまだモモちゃんを視姦し続ける。巨乳の深い谷間。笑いながら揉みしだくエンジェルモモちゃん。
 このアップで何人の男が白い精液を放ったか知る由もない。とにかくモモちゃんは実に天使らしい天使だった。
「あ、ああ……知ってるよ。アヤノ様とモモちゃん……と」
 そこで落田は右を見た。
 黒髪ストレートの、すらっと背が高く大人びた顔立ちの、軽薄そうな笑みを浮かべた少女。
「はーい。私は小磯辺彩香でーす。よろしくお願いしまーす」
 サヤカ。少女らしからぬ雰囲気で、どこかとっつきにくさを感じさせる。見た目もそれなりに見栄えがするものの、アヤノ様の圧倒的な威厳に満ちたお嬢様オーラと、モモちゃんの甘すぎるお色気には一歩も二歩も遅れているように思えた。
 その彼女がリミトラのトップ3に選ばれている理由は何なのかと。それは彼女の見た目だけではまず推し量れない。
「あははっ。この人なんか……言っちゃ悪いんですけど、貧相ですね。顔もたいしたことないし……ぼさっとして、もうださださっていうか……。くっくくく……」
 サヤカはそう言い放った。口角がいやらしく曲がっていた。目じりが釣りあがって蛇のように獲物を見据えた。
「あらサヤカさん? 初対面の方にそれはないでしょう? 落田さん? どうか気を悪くなさらないでくださいね?」
「あ、いえ……」
 アヤノ様がすぐ上品に取り繕ってくれた。
 サヤカの持ち味は一言でいうならば毒舌である。それも天然の凶悪な毒物質を所持している。
 彼女の毒は男を一瞬で虜にする毒物だ。危険だ、と思う間もなく喉元にその牙を打ち込まれる。
 妥協はなく欠点という欠点をあげつらう。立て板に水のように流暢に罵詈雑言の洪水が噴火する。彼女の言葉に魅入られた人間は、狂おしい言葉責めの中で絶頂してしまう。
 言葉による洗脳。研ぎ澄まされた鋭利なメスのような声質。倒錯を深めた男は、いつしか彼女の声を聞くだけで勃起するようになる。次にどんなことを言うのか、どんな悪口を言ってくれるのか。下僕になった男達は切実に期待するようになる。
 実際、サヤカのファンに対する態度はまるでアイドルとは思えない。ファンを汚いオタクだと罵り、嫌悪感を露にした表情で気持ち悪がる。
 アイドル失格。それは彼女のためにあると言ってもいい。けれどその傲慢な態度が、ある一定の需要を満たしているらしく、それなりの批判は多々あるものの現在の位置をキープしているのである。
 かくゆう落田も、サヤカの作り上げる暴力的な精神支配の虜となった一人だった。
 初めてリミトラに接した時、落田が目を奪われたのはモモちゃんだった。理由は一言でいうと、わかりやすい、からだった。童顔で愛らしく少女らしからぬ巨乳。ほとんどの男が魅了される、秀逸な記号を持っている。落田ももちろんその例に漏れなかった。
 アヤノ様のように、どこか近寄りがたい雰囲気はない。お嬢様。いつもはどんな暮らしをしているのか。豪華な屋敷で紅茶を飲んだりたわむれに旅行をしてみたり。そんなミステリアスな魅力も男を悩ましく惹きつけるが、落田にとっては少々高嶺の花。手の届かない存在に思えてしまう。
 特にこの場合、落田の財産とは関係ない。彼は精神的にいつまでも満たされない落伍者だったから。
 サヤカの第一印象は壊滅的に最悪だった。なぜリミトラのトップを維持しているかわからない。それほどの悪感情を刺激されたのだった。
 話す度に出てくるのは不満ばかり。あれが駄目だのこれが駄目だの。何より他のメンバーを真顔でけなすのが許せなかった。
 いちいちどうでもいいことまで、重箱の隅をつつくように彼女は攻撃する。何もそこまで、と言わんばかりの内容だった。その都度アヤノ様がフォローを入れて雰囲気が悪くならないようにする。アヤノ様の毒消しがなければサヤカは存在しえないのだろう。アヤノ様の圧倒的な包容力は、リーダーにふさわしいと確信せざるを得ない。
 サヤカはリミトラにはいらない。落田の考えはそう染まっていた。必要ない。粗大ゴミ。よく見ればブス。あのいつもにやけたような表情が気持ち悪い。吐き気がする。それほど嫌っていた。
 だがその固定観念は、あるラジオを境に変わっていった。
 その日のラジオはサヤカとモモちゃんがお喋りをするという内容だった。テーマはよく覚えていない。覚えていてもサヤカの雑言で9割が埋まるのだが。
 サヤカはその日も唯我独尊だった。ぺらぺらと畳み掛けるように不満を繰り出す。必死にフォローし受け答えしているモモちゃんがかわいそうだった。
 落田は辟易し憔悴しきっていた。モモちゃんが目当てだったのに、サヤカのせいで聞く気が起きなかった。吐き気を催すほどの醜悪。天使を握る潰す悪魔がサヤカだった。


 ――でね、ほらリミトラのファンっているじゃん? あいつらって最悪だよね。キモい顔して本当にキモいもん。なんであんなのが存在しているんだろ? ありえないよね? ねぇモモ?

 話題はファンの罵倒へと進行する。有り得ない、こんなこと。サヤカがの悪口もこうして表舞台に立っていることも。全てがおかしい。
 落田はすぐにでも切ろうと思った。聞くだけで不愉快な声。サヤカという存在そのものが嫌だった。

 ――あはっ、笑っちゃうよねー。もーちょっとお洒落してこいってね。…………でもねぇ、必死で底辺のたうち回るゴミ男君がぁ……なんか可愛いっていうかね……うっふふふふ♪ 手のひらでちょっと動かしてみたいっていうか……あははは♪ いや、今の嘘嘘……。

 
 サヤカのフレーズ、可愛い、手のひらで、それを聞いた時落田は背中に雷を受けたような気がした。ペニスがガチガチになり我慢汁が染みた。
 あれほど忌み嫌っていたサヤカの、ほんの一言二言で勃起してしまったのだ。
 屈辱。ではなくて服従への序曲だった。
 その日を境に落田の価値観は180度真逆に展開されてしまった。サヤカの言動一つ一つにじっと聞き込むようになった。彼女はただ毒を持って罵倒しているだけじゃない。好きなだけ毒を吐いた後、さりげなく甘いお菓子を置いていくのだ。
 それは注意してみないとわからないぐらいのほのかな甘さだ。彼女はかなりのやり手だった。あの位置に存在するのも伊達ではないのだ。
 無関心だったネット上の評価もサヤカは高かった。マゾ男をひょいと吊り上げる能力を彼女は有している。それも天才的なレベルの才覚でだ。
 落田はサヤカに入れ込んだ。彼女が話す言葉一つ残らず録音する勢いだった。ファンを罵倒する言葉を自分に重ねて、何度も自慰行為をした。すらりと脚を組みかえられて、豚のようにうずくまる自分を馬鹿にされながら笑われたかった。
 ねっとりとしたつま先が伸びてくる。人生を全否定されながら罵倒されたい。服従したい犬になりたい。全て奪い去って欲しい。



「ふふ……。落田さん? ねぇ落田さん?」
 アヤノ様の細い声。落田はふと妄想から現実に引き戻された。
「あっ、ああ……す、すいません」
「お疲れのようですか? すいませんこちらこそ、突然招待なんかしてしまって……。落田さんも色々とお忙しいでしょうに……」
「い、いえ。僕はちょうど暇だったものですから……」
 元気なくそう言った。
 落田はとぎまぎしていた。あのリミトラのリーダーのアヤノ様、モモちゃん、そしてサヤカが一つの部屋にいる。
 招待状は簡素だった。ただここに来て欲しいと。詐欺のようだが落田は来てしまった。盲目的になりふらふらと、そして幸か不幸か落田は憧れのアイドル達の巣へ幽閉されているのである。
 とあるホテルの一室。部屋はただ白かった。大きめのテレビモニタがーぽつんと置いてある。そして彼女達の容姿――。
 落田はしだいに冷静になった。周りの景色が段々と見えてきた。
「あれ? やっと気づいたお兄ちゃん? そうこれはあの曲。レッツ足裏パラダイス♪ ~踏み踏み支配は楽しいな~ の衣装だよ? ほらぁ、モモはピンクのストッキングでこんな胸あき衣装♪ ラメラメいっぱいで楽しいよ♪」
 モモがひらりとポーズをとる。
 レッツ足裏~はリミトラCDの第三曲目にあたる。ふざけた題名。だがしかし曲調は極めて重厚かつ妖艶で、淫靡な雰囲気なのである。可愛い少女達のたわむれ、リミトラの曲はそんなおままごとレベルで終わるわけではない。
 メンバーは皆セクシーなストッキングをはいている。アヤノ様は黒、モモちゃんはピンク、そしてサヤカは紫と、それぞれ自分の性格にあったような色を選んでいるようだ。
 この曲のPVはあまりにもセクシー過ぎるということで、一時センセーショナルな話題になった。まだ小さな子に。嘆かわしい。何を考えて……。と全うな批判意見が上がったが、いつしかその声は聞こえなくなった。
 一度このPVを見たものは、何かに取り付かれたように魅入ってしまう。ふらふらと催眠にかかったように、サブリミナルでもない直接的な魔力で取り込まれてしまうのだ。
 全員ラメ入りのストッキングを標準装備。それだけで世の男達はM男になり奴隷になった。テカテカとした光沢が、常に誘惑光線を照射し雄の脳髄を呆けさせる。何も言えず、ただ口をぽかんと開けて、少女達の脚を崇拝する奴隷へと洗脳されていく。
 落田もそのPVからもたらされる快感の虜になった。いつもは可愛らしく、時おりセクシーな表情を見せるアイドル達の、大気圏まで針を振り切れた魅惑の演出に心を奪われた。
 リミトラのPVは非常に作りこまれていることで有名だ。そっちの方面に作りこまれて過ぎて、AVよりもずっと素晴らしく、なおかつ高尚だった。いやもうリミトラのPVでしか気持ちよくなれないという声もある。
 PVの大まかな流れはこうだった。迷い込んだのは人知れぬセクシーキャバ。喧騒に満ちた店内。女たちの語らい。しかし相手するのはまだ年若い少女達。
 会話も進みお酒も進む。甘い雰囲気に急速に酔いが進み、男は床へとへばりつく。いつしか少女達の艶かしい脚に惑わされて、ひざまづき忠誠を誓う。もちろん男の姿は当たり前だが微塵もない。常時主観視点で展開されて安心だ。
 年下の少女に転がされて弄ばれる。嘲笑の的になる。脚、脚、脚。むき出しの性交器官に男は悶絶せざるを得ない。
 ソファに座った少女達。足の裏を見せ付けてにやにやしてくる。画面はしだいに足の裏で埋まっていく。思考を支配するように、足の裏で画面はいっぱいになるのである。
 これほど冒険したPVは今まであっただろうか。落田は足裏で画面が埋まった瞬間、ビクンと射精してしまった。それも何度でも使える実用性があった。時には性器に触らずに射精に達することもあった。
 当然、曲のPVではあるから映像に歌詞の後押しも追加される。足裏シーンは少女達の甘い嬌声、それも嘲笑に満ちたこちらを見下す妖精達の囁き中心で組み立てられている。
 脚をお舐めなさい、もっと踏まれたいの? 服従して? もっとこっちへ来て……、等等男のツボを刺激する歌詞も随所にちりばめられている。
 もはやそこに存在するのは少女ではない。何人もの男を誘惑し破滅させてきた妖女達だった。
 ラストは大団円の上から見下しで終わる。何十人もの少女達の顔。舌をぺろっと出して、なお誘惑の手を緩めないものもいる。
 画面は周囲から、細菌が繁殖するように足裏で包まれていく。落田はこのラストがたまらなく好きだった。じわじわと感情をなくされて支配される心地がする。絶え間ない嘲笑の渦。いくつも年下の少女達に、完全に屈服し支配されてしまう瞬間。
 踏まれる、踏まれていく。画面はもう足裏で埋まりきってしまった。ぐりぐりと踏みにじられている。その刺激でまた落田は射精する。
「この曲は思いの他大ヒットしましたわね……。私達に踏み潰されて喜ぶお兄様が、きっと多いのでしょうね……」
「はっ、キモオタ共がはぁはぁしてる姿が目に浮かぶよ。ぞっとするったらありゃしない」
「ん~モモはぁ、足元でうねうねしてるのちょっと好きかも~なんちゃって。でもおっぱいでいじめる方が好きかな~きゃっ♪」
 アヤノ様がモニターのスイッチを入れていた。
 直後に映し出される足裏パラダイスのPV。
 落田が夢にまで見たシチュエーションだ。リミトラのメンバー達と、一緒の部屋の曲のPVを鑑賞できるなんて。感無量の感動でこのまま倒れこんでもおかしくはない。
「うふっ。あの……それでは落田さん。そろそろお話の方を……」
「あっ……はい」
 すっと音もなく、ピタリと背後に張り付かれて囁かれた。距離が近い。アヤノ様の体温、吐息も感じてしまえそうだった。
「率直に申しますと……。落田様に、私達の援助をして欲しいのです……。落田様のお力を……どうか……」
「うっ……」
 やっぱり予想された危機は現実のものとなった。自分は狙われていた。どこから情報を仕入れたのか知らないが、こうやってメンバーを使いお金をせびる作戦だった。
 なんということだ。これはまずい。ただの一ファンとして、グッズやCDにお金かけていれば、資産が続く限り夢の世界の住人でいられる。普通の一般人ならどこかで支障をきたしてしまうかもしれない。しかし落田には既に莫大な財産がある。よっぽどおかしな入れ込み方をしなければ、到底なくなるものではない。
 落田には安心があった。その安心を今覆されていた。落田は自分の愚かさを心底悔いた。
「んっ……。落田さん? どうですか? 私達……もっと大きくなりたいんです……。ですから……」
「くっ、んっ……」
 少女の指がつーっと落田の腹をなぞった。あのアヤノ様に触られている。その事実だけで天にも上る気持ちになってしまう。この劣勢を逆転するのは、もう無理だとわかっていた。自分はまんまと罠にはめられた愚かなネズミ。けれど最低限の抵抗はしてみたかった。
「あっ、ああ……。いっ、いや、君達はもう十分売れているから……。僕なんかの手助けなんかなくても……」
「はぁん……。いえ、色々経費がかかり過ぎて実はトントン、火の車なのでございます……。宣伝に広告に衣装にライブに……特にあのPVには最新技術が使用されていまして……はぁ……」
「あ……」
 首筋に生暖かい吐息が吹き付けられる。少女のぬくもりで誘惑されている。アヤノ様に必要とされている。
 モニターのPVはむなしく映像を垂れ流していた。ちょうど中盤の足裏で埋められる場面だ。思考支配。数分後の自分の姿を予言しているように思えた。
「うっ、うう……。でっ、でも僕は、君達の活動を手助けできるほどのお金は……。ほら、僕一人なんて……ちっぽけな存在で……」
「う、そ。んっ♪」
「ひぃっ!」
 落田は思わず飛び上がった。予期せぬキスを頬にまぶされたから。少女の接吻。それも憧れの手の届かない崇高な女神ともいえる人物から。
「落田さんはぁ……。とっても大金持ちなんですよぉ……。こんな朴訥な雰囲気ですけどぉ……とぉ~ってもお、か、ね、も、ち、でぇ……」
 悪魔のような声色で、アヤノ様がつぶやいた。ぞくぞくしてたまらない。今すぐにでも堕ちてしまいたい。
「えっ? 何々? この人そんなにお金持ってるのぉ? なぁ~んだ。私てっきりそこらへんのキモオタいじめて遊んでるもんだとぉ……。あ~あ、人って見かけよらないね。ああさっきださださ~とか言ってごめんねぇ。今後は改めるからぁ……んっふふふふ♪ あっ、でもやっぱり私って自分に正直だから、今まで通り馬鹿にしたりするかも。人ってお金だけじゃはかれないしっ。うんうん。ねっ、お兄さんって全然オーラないしぃ……」
 一息にサヤカが言った。見直すかと思ったがそうではなかった。でもそこらへんが彼女らしいと思った。
「うふっ♪ モモは知ってたよ。お兄ちゃんってお金持ちぃ♪ あぁ~んモモってお金持ってる人大好きなのぉ……♪ だってぇ……おっぱいの谷間むにゅってしてあげるとぉ……おこづかいいっぱいもらえるからぁ……んっんっ♪」
「あんたが馬鹿だから治療用にあげてるだけよ。知ってる? おっぱい大きい子は馬鹿だって? いっひひひひ」
「む、む~。むぅ~? そ、そうなんですかぁ? モモはお馬鹿になっちゃうんですかぁ?」
「こらこら。お二人さん。喧嘩はいけませんわよ。今は、この落田さんをですね……」
 いきなり争いが始まった、と思えばアヤノ様の鶴の一声でおさまった。やはり彼女はリーダーにふさわしい不思議な力を生まれながらに持っていると感じた。
 だが矛先がこちらに向かい、落田は覚悟を決めた。このまま少女を押しのけて逃げる、という案は思いつかなかった。落田は調教されていた。自分はこの少女達より下、限りなく下。何度も曲のPVを見る度に刷り込まれていた。逃げてもすぐ追いつかれる。力でも勝てない。踏みつけられて足蹴にされて押さえ込まれる。
 落田の心はほとんど堕ちかけていた。ほとんどただ時を待つのみだった。
「ああ~そうだよね~。お得意さんだもんね~。今日はどんな『儀式』? ていうか、この服着てるってことは……」
「そうですわよサヤカさん。脚で……して差し上げましょう。落田様は、きっとこうされるのがお好きでしょうから……」
 サヤカにアヤノ様が雄弁に返した。
「はい了解♪ モモも脚で頑張っちゃうからねぇ……うっふ~ん♪」
 と、言いながら巨乳の少女は胸を揺らした。
「あぁ……。ぼ、僕は君達なんかに……」
「うふふ……。そうですね。私とモモさんはソファに座りましょうか。サヤカさんはそちらに立って……」
「OKアヤノちゃん」
「はい、アヤノ様」
 背中から、アヤノ様の気配が消える。支えを失ったように床に倒れこむ。ふらふらと頭がおぼつかない。
「はい……落田さん。どうぞ」
「むっ」
 倒れこんだ所に無造作に足が乗せられた。アヤノ様の黒ストッキング。ラメが照明に反射して少しまぶしく感じてしまう。
「私もっと♪ それ♪」
「むぐ……」
 モモちゃんの足も追加された。柔らかいぷにぷにの足裏。ピンクのストッキングも甘い匂いがしてうっとりしてしまう。
「ああっ、ああ……。し、幸せ……」
 落田は極楽をかみしめた。年下の少女の足元にひれ伏す倒錯した快感に、身も心も奪われて夢見心地に耽った。
「んふっ。可愛いですね……。先ほどまであんなに抵抗していましたのに……」
「はぁ~ん♪ 何かお兄ちゃんワンちゃんみたぁ~い♪ ほらもっとお鼻こすりつけてぇ~♪」
 顔を二人のおみ足で弄ばれる。視界をふさがれながら堕ちる快感。洗脳映像で調教済みの落田の運命は、既に決まっていた。
「あっ、あれれ? ちょっとアヤノちゃん? 私は何をすればいいの?」
「サヤカさんは……もちろんそれですわ。その、固くなった、……アレを」
「えっ? これぇ? 何こいつ。足で顔踏まれて固くしてんの? キモ~い。 やだぁ~」
「あっ、うっ、うう……」
 キモいと言われて落田は二、三度身震いした。女の子に踏まれる自分。気持ち悪いのは百も承知だ。
「うふふ。ほらどうですか? 段々……私達に全てをゆだねたくなってきたでしょう」
「ゆだねたくなってきたでしょう? きゃぴ♪」
「ほらほら。足でされてるよお兄さん? 女の子の足でさぁ……。いくらお金持ってても、こんなにかっこ悪いんじゃ台無しじゃん。ほらほら……」
「あっ、くっ、ふぅん……むぐ……」
 口に小さな指先がねじこまれる。ストッキングの生地が唾液で濡れていやらしさを際立たせる。
「優しく咥えてくださいな……。ゆっくりとねぶるようにですね……」
「モモの足もしゃぶってぇ~ほらぁ~♪」
「んっんっ……んんぐっ!」
 小さいとはいえ、一度に詰め込まれたからたまらない。落田は顎がはずれそうになりながら悶えた。
「何もがもが言ってるのよ……。キモいんだから早く決めなよこのクズ!」
 股間への衝撃。埋まる視界。罵倒の嵐。意識は闇へと消えかける。
 時間の流れがおかしくなる。自分が何をされているのか行方不明になる。もみくちゃにされて、さらなる深みの中へ沈んでいく。
「あっ……ああ……あぅ……」
 落田は必死で耐えていた。堕ちかけながらもかろうじて崖から手を離さなかった。
「ん……そろそろもう一押しが必要でしょうか。モモさん? そのまま足でしていてくださいな」
「了解しましたです!」
 元気よくモモちゃんが答える。ピンクの両脚が顔面を埋めた。足の指先でしっかりと掌握している。
「ねぇ……落田さん。悪いことは言いません……。このまま……私達に……」
「ああっ、でも……でも……」
 魔性の囁き。耳元にぬるりと這い寄ってくる。
「破滅……したいんでしょう? 落田さん……満たされないのはそのためで……。だから……私達が……」
「うっ、うう……んっん……」
 落田は必死で頭を振っていた。そうしなければ悪魔に心を取り込まれてしまうから。自分の中に潜む悪魔。必死で閉じ込めていた悪魔の産声が。
「ほら落田さぁん……堕ちてください……。アヤノ様の虜に……」
「お兄ちゃんもっとモモの足食べてぇ~ほらほらほらぁ~ん♪」
「あ~あどんどんキモくなってるよこのオチンチン? ちゃんとクリーニング代出してくれるのかな? もちろん慰謝料ももらえるわよねぇ?」
 容赦ない責めが繰り返される。足裏の蹂躙につぐ蹂躙。耳たぶを軽くかぷりとかじられる。それが最終的な屈服の合図となった。
「あっ、あっあのっ! 僕っ! つ、使ってください……。お金っ、僕の……あんっ」
 ついに落田は素っ頓狂な声で叫んだ。
「あらあら……。急にどうしたんですの? あんなに頑なに躊躇していましたのに……」
 アヤノ様の声のトーンが下がっている。表情は見えないがきっとすまし顔で笑っているのだろう。
「ぼ、僕破滅したいんです……。こんなにお金いらないから……。僕っ……ずっとゴミ扱いされて……ああっ……」
 堰を切ったように感情が漏れ出す。誰にも相手にされない自分。社会から投げ出された自分。今の自分は仮ではないかという自問自答。その答えをアヤノ様が知っているような気がした。
「うふふ……。別に破滅する必要はありませんわ。取引……私達はお仲間ですわ。大切な……お、な、か、ま♪」
「あふっ」
 耳元で少女の唇がはじけた。その甘すぎる振動は、容易く脳内を縦横無尽に駆け巡った。
「な、な、なかまぁ?」
「そう、ですわ。こんなに才能ある人を……。破滅なんかしなくていいですわ。ただ私達に協力してくれればいいのです。そしてその見返りに、お兄さんは最新曲のPVと、メンバーの御奉仕、いえ、『儀式』を授かることができるのです。これが絶対的な信頼関係に成り立つものです。……わかりますね? 落田さん?」
「わかった~? ねぇねぇ? アヤノ様が言ってるんだからねぇ~」
「わかったって聞いてんだよ。なぁ?」
 ぐりっと顔面と股間に刺激が走る。一生服従します、という誓約書を突きつけられたのと同等だった。
「んっ、ぐっ……。わ、わかったよ……。僕……仲間……あはあは……。楽しいな……あはあは……」
 落田は盛大に壊れ始めた。逃げられないように見えない首輪をつけられた。
「ありがとうございます。話のわかる人で嬉しいですわ。やはりお金を稼げる人は違いますわ……」
「うふっ、あっ、そうそう……。ぼ、僕偉いから……。もっともっと稼ぐから、君達のためならどんな手を使ってでも……ああんっ」
「ああんお兄様ぁ♪ ずっとついていきますわぁ♪ ……ぎゅ♪」
 常に一定の距離を保つアヤノ様。その彼女がついに垣根を越えた。抱きしめて頬ずりをして接吻を繰り返す。
「あっ、私もお兄ちゃんにぎゅーするの。足のっけてるの飽きたからー。んーむぎゅーぎゅぎゅっ♪」
「んっ、ああぅん……。ほえぇ……あはぁ……。大好きだよぉ……。えへっ、えへえへ……」
 少女達が好意を持って抱きしめてくる。花いっぱいのお花畑が落田の頭に咲き乱れた。
「あれっ? もう終わったの?」
 サヤカがきょとんとした顔で聞いた。
「いえ。まだですわ。最後はここでフィナーレを飾りましょう。さぁみんなで……」
「ああ、そうね」
「はぁ~い♪」
 三人は獲物の下へ向かった。大事に捕まえた貢ぎ奴隷。豊穣な富を提供してくれる愚かな子ネズミの懐へ。
「お兄ちゃん♪ ほら足足足っ♪」
「ほ~らサヤカ様の足をありがたく頂きなさいよ」
「お兄様……」
 ソファから放たれる魅惑のルアーが、妖艶に光輝き美味しそうな動きで誘惑する。
「あんっ。足ぃ……好きなの僕ぅ……んぷっ」
 両目を覆い口を塞ぐ。PVはとうに終わっていたが、落田の終末はたったいま始まった。
「あはっ♪ お顔全部むぎゅむぎゅだよっ♪」
「ほらほらぁ~♪」
「ほら、ぜぇ~んぶ埋まってしまいますよ……?」
「それそれっ♪」
「ぐ~りぐりぐり……」
「あっモモさんサヤカさん? そこの隙間がまだ開いていますわよ? 両脚を使ってもいいですから……」
「あっここですねぇ♪ はぁ~いぎゅっ♪」
「ほらイキなよ変態ちゃん♪ いけいけ……イケよっ!」
「うふふっ♪ うふふふふ……♪ あ、ここが最後ですね……。私が止めを刺してあげましょう……はぁい♪」
「あっあっ……ああっ。あああ……あ――」
 完全なる視界封印。
 顔を少女の足で潰されながら、落田は一生で最も気持ちのよいオーガズムに達した。
 白い欲望は綺麗な放物線を描き、小悪魔な天使達の光り輝くおみ足へと献上した。 
  1. 2013/02/15(金) 22:29:42|
  2. SS
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