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ネイティファス
淫語ボイスドラマ製作サークル ネイティファスのブログです。

カードゲームSS

何も予定はないものの最近はカードゲームに執心です。

先月はハースストーンのランクを無心で回してたら初のレジェンド到達。
出たばかりのシャドウバースでルナちゃんでAランクいきました。

シャドウバースは絵柄もかわいい子が多いので
貢ぎ課金行為もかなり捗ります。

特に課金してランダムでしか入手できないプレミアムカードが、
服の裾がひらひらしてたり胸揺れ(?)してたりするので
誘惑的な意味で課金を促されます。


んで、ハースストーンのパラディンとプリーストを混ぜたような
コントロール系サキュバスデッキのヒーローを妄想したのでSSにしておきます。
昔誘惑のカードゲームを書いたころより随分知識がついたとしみじみ思います。





魔女アルルーナのサキュバスドリーム




「ユータ君。『ライトロゼッティア』全国大会優勝、本当におめでとう♪」
「い、いえ。単に運がよかっただけです。他にも僕より強い人はいっぱいいたし……」
「もう何言ってるの? 運も実力の内よ♪ さぁ入って入って♪」
 ここは大人気カードゲーム『ライトロゼッティア』開発本社、エクスフレイムの一室だった。
 最新型のVR技術を導入した、疑似仮想空間による極めて臨場感あふれるカードバトルは、少年少女含めてお兄さんからお姉さんまで一大センセーショナルで超加熱的な人気を博した。
 可愛らしいデザインで親しみやすいキャラクター。簡易かつ明快でありながら、噛めば噛むほど味が出る奥深いルール。特に二か月に一回というハイペースで更新される、魅力的な新カード群は、他のいかなるオマージュゲームにも追随を許さないクオリティである。
 ゲーム大好きユータ少年も例に漏れず、どっぷりとこのゲームにはまり、めでたくつい先日の公式『ライトロゼッティア』大会で優勝したわけである。
 そして今優勝賞品として、未だ未発表の新ヒーロー体験会に招かれたのだった。
「うふふ♪ 何緊張してるの? 決勝戦のあの最終試合では、あんなに凛々しかったのに♪」
「え、いや……」
「私感動しちゃったなー。『ディオール』VS『シルビアン』の圧倒的相性不利を覆す、超絶プレイング♪ 何度も終わりかと思った局面からの逆転につぐ大逆転! 本当に見とれちゃったわぁ……♪」
「あ、ありがとうございます……」
 ぴったりとした黒スーツの、スタイルのいいセクシーボディランが魅力のお姉さん。洗い立てのシャンプーのいい香りがしそうな黒髪がふわりとなびき、純朴な少年ユータに何か意図ありげな流し目をくれた。
「やっぱり優勝する子って何か違うわね♪ 私なんて同じデッキ使ってても、きっと全然勝てないわ」
「そ、そんなことないですよ」
「もー。別に謙遜しなくていいのよ。君の実力はお姉さんが一番わかっているからね。あ、私の自己紹介がまだだったわね。私はエクスフレイム広報の、皇果林(すめらぎかりん)って言います。よろしくね♪ ユータ君♪」
「は、はい。よろしくお願いします」
 ドキリとするような大粒のウインク。元来人見知りな性格で、同級生の女の子ともあまり話したことのないユータはこの攻撃にどぎまぎしてしまった。
「あー。顔真っ赤にしちゃって可愛いんだー。さー早速プレイしましょ♪ 前もって聞いてたと思うけど、ユータ君には出来立てほやほやの新ヒーローと対戦してもらいま~す♪ もちろん準備はいいわね?」
「は、はいい……」
「うふっ♪ 戦う前から気圧されてるぞ少年♪ でもいざ対戦に入ったら、ビシっと決めてくれるんでしょうね♪ さー対戦台に座って♪」
 ポンと肩を叩かれ着席する。同時に圧倒的臨場感を体験するための、VRビジョン機能搭載ヘッドセットがウィィンと金属的な音と共にユータの頭部へとゆっくり迫る。
「やっぱりこれよね。『ライトロゼッティア』を本気で楽しむなら、絶対VR機能でプレイするべきよね。面白さが全然違うもの。……っと、ここをこうしてこうしてはい装着完了♪」
「わぁっ。これ新ステージですね。何だか怪しげな宮殿……。新ヒーローってどんなのだろう。ドキドキ……」
 一足早く、VR空間に入り込んだユータ少年が言った。辺りに立ち込める薄ピンクのもや、ねっとりと湿気を含んだような大理石の壁が、異世界に迷いこんだような雰囲気を醸し出していた。
「それは見てのお楽しみ。じゃあ私もセットつけてと……。はい準備オッケーよ。さ、ゲーム開始しましょ。まずはヒーロー選択からね」
「あ、僕カード持ってきました。自分のデッキでやりたいから……。ヒーローは、ディオールで」
 ユータが選んだヒーローキャラは、ローゼス王国の若き青年剣士ディオール。展開力とコンボ火力に優れ、豊富なウェポンを使った除去により序盤中盤終盤と非常に隙がない。ヒーロー専用キャラの能力も高めで初心者にも扱いやすく、相手に何もさせないまま封殺するこもままある。『ライトロゼッティア』では強ヒーローの一人としては必ずと言っていいほど名が上がる。
「そう準備がいいのね。さーて、お姉さんのヒーローはと♪」
「わわっ。これ、女の人……。」
「うふっ♪ 全世界でユータ君にだけ一般初公開よ♪ 華麗に妖しく妖艶に♪ 封じられたサキュバスを召喚するデビルサモナー、アルルーナお姉さんがお相手よ♪」
 全身を覆う黒いフード。襟ぐりは緩く、空いた隙間には艶めかしく白い巨乳が目にまぶしい。紫の色のルージュを穏やかに口元にたたえ、冷酷そうな切れ長の瞳が彩を添える。肌は一度も日を浴びたことがないと思えるほど白く透き通り、白蛇のようにねっとりとした指先が、手持ち無沙汰げに水晶玉に置かれている。
「あ~ん♪ お姉さんの宮殿に侵入するのはだぁれ? 何が目的? ロゼッティアの秘宝の手かがり? それとも私が集めた指輪や魔道具や金銀財宝? この荘厳なる大宮殿? それともそれともぉ……。あっ、もしかしてお姉さんの肉体が欲しいのかしらぁ? うふふふっ♪」
「えっ? ちょ、ちょっと。か、果林さんですよね?」
 ユータはひとしきり面食らった。いきなりセクシーな雰囲気の魔術師風の美女に目を奪われたから。
「もちろんよ♪ せっかくVR仕様なんだから、そのキャラになりきって楽しまなくちゃ♪ アルルーナお姉さんはね、一目冷淡そうだけど、結構天然でおちゃらけてておまけにセクシーでちょっとエッチでユータ君みたいな少年が大好きなお姉さんなのよ♪ うふふっ♪ ……って設定ね♪」
「は、はぁ……」
「もうぽかんとしちゃって♪ でもその顔も可愛い♪ はぁん♪ それにしてもディオール君もユータ君に似ててイケメンね♪ 積極的にアプローチしたくなっちゃう♪ やっぱりVRっていいわねぇ……。本当はいないのにそこに人間がいて現実のようで仮想現実でその世界に入り込めて……」
 とろんした表情で恍惚顔のアルルーナこと果林お姉さん。その悩ましげな表情にドキリとしてしまう。
「あ、いや。そんなに僕はかっこよく……」
「あらぁん♪ お姉さんの前では正直になっていいのよ? ディオール君が、自分にそっくりでかっこいいから選んだんでしょ? ねぇねぇ?」
「い、いえ! 僕そんなんじゃあ……」
「うふっ♪ 冗談よ♪ はーい早速ゲーム開始開始♪」
「ふ、ふぇぇ……」
 ユータはくねくねと魅力的な姿態をくねらせる、アルルーナに振り回されていた。ともあれ聖なる秘宝『ライトロゼッティア』をめぐる戦いの火蓋はきって落とされたのである。
「あ、私が先行ね。うーんマリガンは適当に……。あっ、挨拶しなきゃ♪」

 ――ふふっ♪ 何が目的? お姉さんが遊んであげる♪

「あっ。色っぽい声……」
「そうよ。アルルーナお姉さんは色っぽいのよ。せっかくだから他の感情表現機能も試してみようね♪」

 ――ありがと♪ お姉さんの実験台になってくれて♪

 ――負けてくれたら、いいことして、あ、げ、る♪

 ――う~んお姉さん困っちゃう~ん♪

 ――わぁ♪ びっくり♪ 驚いちゃう♪

 ――お姉さんの魅力に屈服しちゃいなさい♪ ほら、は、や、く♪


「あっ、はわわ……」
 挨拶、感謝、からかい、悩み、驚き、止めの一言――と、それに対応する台詞がアルルーナから放たれる。どれも性的経験のない少年にとっては刺激的なものだった。
「うふっ♪ これぐらいかな。ちょっとあざとすぎるかもしれないけど」
「あざといっていうか何というか……」
「もうたじたじね。ねぇちょっと想像してみて? ちょっとこっちの形勢が不利な時に、セクシーなお姉さんに負けてくれたら~~って言われたら♪ ねぇどうするぅ? ねぇねぇ?」
 豊満な谷間をみせびらかすように話しかけるアルルーナ。男の目を焦がす、魅惑的な球体がユータを否が応にも誘惑していた。
「え、そ、そんなのぉ……。しょ、勝負にそんなのいけないから……。というか僕は相手の感情表現はいつも切ってるから……」
「もーっ。そんなの駄目っ♪ いけない子♪ せっかく開発の人が作ってくれてるんだから、感謝して楽しまなくちゃ。ゲームってコミュニケーションが大切よ♪ ねっねっ♪ ラブラブ密着の体と体のコミュニケーション♪」
「ふ、ふわぁぁ……」
「あーん反応が可愛いから、試合の途中で本当に誘惑しちゃうかも……♪ だってお姉さん素人だし。ユータ君はとっても強い全国大会優勝者だし……。ねっそれくらいハンデとしていいでしょ? ふふっ♪」
「そ、それぐらいなら……。でっ、でも僕負けません。真剣にやります……」
「ふふっ♪ その意気よ♪ お姉さんも本気でぶつかってくれた方がいいわ♪ キャラとかスペルの調整にも必要だしね。それじゃレッツスタート♪」
「は、はいよろしくお願いしますっ」
 


「え~っと。一ターン目は……この子♪ リトルインプちゃん出ておいでっ♪」

 ――はいご主人様~♪ 何でも御用、お言いつけくださいませっ♪

 可愛らしい音と共に、まずアルルーナの盤面に一体のキャラが召喚された。少女の容姿で角と尻尾と羽が生えたまさしく小悪魔といったキャラだ。
「リトルインプ……。1コスで……攻撃1で体力2? なんかぱっとしないな」
「もーぱっとしないとか言わないの♪ 可愛いからいいでしょ♪ この子は何も能力ないのよ♪ ただ可愛いだけ♪ こんなのがいてもいいでしょ♪」
「は、はぁ。何か調子狂っちゃうなぁ……。でも僕油断しませんよ。僕のターンは……ロゼッタコインを使い、2コストで勇敢なるローゼス騎兵を召喚!」
 ユータの盤面攻撃3体力2のキャラが配置される。単体で出すには能力なしだが、他のカードとのシナジーによりバフを受ける可能性があるのでほっとけない存在である。何より攻撃1で体力3以下のキャラに一方勝ちできるのが普通に強い。
「あんっ♪ いきなり強いの出されちゃったぁ。少しは手加減してくれると思ったのに……しくしく」
「ぼ、僕だってやりこんでますから。これは基本中の基本だし……」
「まぁそうよね。仕方ないからリトルインプで生意気なディオール君に攻撃! いけいけー♪」

 ――突撃しますご主人様~~!

 またまた可愛らしい声で、リトルインプの攻撃がヒーローキャラであるディオールにヒットした。ライフが30から29へと表示が変わる。ちなみに『ライトロゼッティア』は全ヒーローライフが30、デッキ枚数も30である。
「ふぅん。序盤の一点ぐらいどおってことないよ。さ、僕のターン。2コストで再び勇敢なるローゼス騎兵を召喚! 盤面の騎兵はリトルインプを攻撃!」

 ――んぎゃーやられた。申し訳ありませんご主人様~。

 素っ頓狂な声で、リトルインプが闇のエフェクトを出しながら消滅した。盤面には二体のローゼス騎兵が残り、明らかにユータ有利の展開である。
「あーんやられちゃった。んー私は……。これにしよっと♪ はーいチャームサキュバスちゃん出ておいでっ♪」

 ――うふっ♪ 可愛い子発見っ♪

 もはや裸同然の女性キャラが召喚された。典型的なサキュバスで、申し訳程度とばかりにか細いブラとパンティがおっぱいとお尻にひっかかっている。
「ふわぁ……。何て恰好。って、それより2コスで攻撃1体力5? ちょっと体力高めだなぁ。能力もあったらやっかい……」
「ふふふ♪ これからがアルルーナちゃんのサキュバスデッキの本領発揮よ♪ チャームサキュバスはね、攻撃1と低いけれど、タフネス高めでさらに便利な能力があるのよ」
「な、何?」
「うふん♪ 聞いて驚くなかれ! ……って、まぁ大した能力じゃないけど。あのね、チャームサキュバスに攻撃されたキャラはね、1ターンの間何もできなくなるの。『うっとり』ていう状態異常よ。基本的にはシルビアンちゃんの凍結魔法と同じ効果ね」
「なるほど……。攻撃1でも足止めされちゃうってわけだね♪」
「そうよ♪ ほらほらユータ君。早速チャームサキュバスちゃんを攻撃してみて♪」
「うーん、気が進まないけど、それっ!ローゼス騎兵で攻撃っ!」
 ローゼス騎兵がアタック。お互いのダメージ表示と同時に、騎兵の周りにぷかぷかとハートのエフェクトが飛び交う。
「ああっ。これが……」
「うふっ♪ これで次のターンはそのキャラは何もできないわよ♪ サキュバスの魅力でメロメロドキドキ♪」
「くっ。効果は凍結と一緒でも何かやらしいなぁ……」
「うふっ♪ 後になるともっとやらしいんだけどなぁ……。うふふふふ……♪」
「な、何かとっても悪いことを考えている気がする……」
「うふふっ♪ どうかしら? うふふふっ♪」
「と、とりあえずもう一体のローゼス騎兵でサキュバスを処理だっ! まだまだこっち有利だし……」
「んふふふ……♪ 油断してると危ないわよ♪」
 数ターン程経過。ユータのディオールは展開力をいかして盤面を制圧。アルルーナも除去スペルを使うが追いつかない。
「盤面には僕のキャラが四体……。この辺で……よしっ頑固な老練武器職人ゲイザを召喚!」
 コスト5で攻撃2体力5のキャラ。スタッツは物足りないが、毎ターンの終了時に味方キャラの攻撃をプラス1できる。残しおくと大参事になる除去最優先のキャラである。
「はぁん♪ 何か面倒なの出されちゃったぁ……。除去スペルはさっき打っちゃったし……困ったわぁ……。う~んお姉さん困っちゃう~♪ う~んお姉さん困っちゃう~♪ う~んお姉さん困っちゃう~♪ う~んお姉さん困っちゃう……」
「か、感情表現連発しても変わりませんよ……」
「くすくす♪ ユータ君が変な気分になっちゃうかもと思って。困っちゃうぅうって♪ 言いながら、腰くねくね指を口元流し目流し目っ♪ 色々未経験の坊やなら、お姉さんの手管にまいっちゃうんじゃない?」
「は、はぁはぁ。僕はそんなのに……はぁはぁ」
「うふふ♪ きいてるきいてる♪ さてと、真面目に考えなくちゃ」
 実際ユータはメロメロだった。まるでそこに現実の物体があるようなVR空間である。性的魅力がふんだんにあふれたお姉さんキャラの妖艶な姿態と仕草に、さっきから試合の勝敗等忘れてしまいそうなほど堕とされかけていた。しかしそこは大会優勝者の意地だった。いくらフリーマッチとはいえ、ここまでデッキ構築とプレイングに練磨を重ねたディオールで負けるのは、ユータのプライドが絶対的に許さなかった。
「くっ。僕は負けないっ。どんなデッキにも……」
「あんっ。真剣な表情で怖いわねぇ……。ええと、私は考えに考え抜いた結果……。はぁい、誘惑のサキュバスレリーナちゃんよ♪ レリーナちゃん行っておいで~♪」

 ――レリーナの虜にしてあげるっ♪ チュッ♪ 一緒に戦おっ♪

「あっ、えっ? 何そのカード」
 ユータが驚いたのも無理はない。先ほどまで味方だった武器職人ゲイザが、一瞬で敵陣地に寝返ってしまったからだ。
「ふふ♪ レリーナちゃんの能力はぁ、攻撃2以下のキャラを味方にできちゃいまぁ~す♪ あ~んなんて便利なの♪ もちろんサキュバスだから攻撃するとうっとりさせちゃうわよ♪ うふふ♪」
「なっ。そうか。となると後半で攻撃2以下は出しにくい……。何かこっちの力を利用されてるみたいで嫌だなぁ……」
「やらしく立ち回るのがサキュバスデッキなのよ。ほらぁ……文句言ってないで早く対応して。可愛い優勝者君♪」
「うっ。馬鹿にして……。も、もちろん僕は負けないから……。逆鱗剣ドラゴニックブレード! 攻撃5のウェポンでゲイザを攻撃!」
 ディオールのウェポンがゲイザを切り裂く。
「あん♪ 同士討ちなんてやらしいわねぇ……。仲間でも容赦ないのね♪」
「お、お姉さんがそうさせたんですけど……」
「うふん♪ そんなの知らないわぁ……。さぁ次は私のターン。サキュバス召喚魔法陣を設置と。これで終わりっ♪」
 アルルーナ側の盤面にぽつんと魔法陣が設置される。攻撃0体力7の一目意味がないように見えるがその特殊効果が問題である。
「ええと何々? ターン開始時にランダムにサキュバスを一体召喚する――だって。それは放っておけないから……。ドラゴニックブレードと盤面のキャラで早速処理……」

 ――負けてくれたら、いいことして、あ、げ、る♪

「負けてくれたら、いいことして、あ、げ、る♪ 負けてくれたら、いいことして、あ、げ、る♪ うふっ♪ 負けてくれたら、いいことしちゃうんだけどなぁ……」
「ああっ。またぁ……」
 からかい、もといほとんど誘惑の感情表現がユータを襲う。胸元をさらけ出して前かがみで誘うその媚態に、ユータの目は釘づけになっていた。
「負けてぇ……。ユータくぅん……♪ このままじっとしててぇ……♪ そうしてればエッチなサキュバスお姉さん達が弄んでくれるからぁ……♪」
「そ、そんなのだめですぅ……。ふわぁぁ……」
「ねぇ駄目ぇ? 本当に駄目? こんなに必死でおねがいしてるのよ? 負けてくれたら、いいことして、あ、げ、る♪ 負けてくれたら、いいことして、あ、げ、る♪ ――負けてくれたら、いいことして、あ、げ、る♪ 負けてくれたら……」
「あわわわわっ。駄目駄目ですぅ……」
 必死で誘惑を振り払うユータ。もはや陥落寸前だったが、胸元から目をそらし何とか理性を保とうとする。
「ねぇお姉さんの一生のお願いよぉ♪ 後生だからぁ……。ねぇん……♪ それに新キャラの仕様テストもかねてぇ……。いいでしょいいでしょ♪」
「む、むわぁ……。そこまで言うのなら1ターンぐらい。こ、今回だけですからね」
「ありがとユータ君。懐が深い男の子って好き♪ チュッ♪」
 ウインクをしながら投げキッス。現実のしっかりした果林さんがしてるとは思えないほどはっちゃけている。
「さ~て何が出て来ちゃうかな~。できれば9コスか10コスのお姉さまが出てくると嬉しい♪」
「あ、あんまりそういうランダム要素増えるのは。僕、あんまり好きじゃなくて……」
「あんそんな心の狭いこと言わないの♪ ガチャだってそうよ♪ 何が出てくるかわからないサプライズがあるから人間は夢中になっちゃうのよ♪ それはもう我を忘れちゃうぐらいに……♪」
「は、はぁ……」

 ――いっえ~い♪ お転婆サキュバスのメリルがお助けするよ~♪

 魔法陣から元気よく出現したのは、名前の通り見た目も話し方もお転婆っぽいサキュバスだった。4コスで攻撃3体力4でぱっとしない。

「あらぁん。はずれが出て来ちゃったわ。もっと過激でセクシーで強ぉ~いサキュバスを期待してたのに」
「そ、そんなの出てきたらたまりません。とにかく僕のターンです。適当に盤面処理してと……。これとこれを出して、それにこれで決まりっ! ナイトマスター・セイントシルク!」

 ――この僕が来たからには戦いは終わりだよっ! 聖なる鉄槌が悪を打ち砕くのさっ!

 颯爽と登場したのは聖なる騎士セイントシルクである。6コスで攻撃6体力8おまけにスペル無効という、ディオールの中でもかなりのオーバーパワーのカードとなっている。
 容姿も絵に描いたようなさわやかなイケメンショタで、その純粋な能力の強さ以外にも色々と人気がある。
「あ~んもうこの子ったら詰めにきてるわぁ。どうせ次のターンは『偉大なる号令』とかで一気に20点とか出しちゃうんでしょ? 盤面とってそんなことするなんてひどいわぁ……。シルク君もいるし。はぁ本当に困ったわ困ったわ」
 いやいやうんうんと、果林さんは真面目に対処に困っているようだった。ディオールに一度盤面をとられてしまえば、いくら範囲攻撃を打っても意味がない。決して途切れない戦力投入にいつか音をあげるのみである。
「ふぅ。てこずったけどこれで終わりかな。サキュバスデッキ、ちょっと変則的だけどディオールの脅威にはならなそうかな……」
「あーもう勝った気になってるのね。もー失礼しちゃうわね。いい? 今からお姉さんが劇的な逆転を見せてあげるからね♪」
「ん……。そうは言ってもこれを返すのは大変だと思うけど。シルクと他のキャラを同時に処理する方法はあまりないから」
 そのはずだった。実際スペル無効で体力8のシルク返す手段はかなり限られる。ユータの勝利はすでに目前のはず――だった。
「うーんと、えーと。色々考えた結果、これしかないわね。はぐれサキュバスサリーンちゃん♪ それに追加でスペル『二人っきりになりたいな♪』を使用っと♪ シルク君とサリーンちゃんがラブラブよっ♪」
「な、え? わわわっ!」
 ユータが驚いのは無理もない。今まで優勢だった盤面がたった一手で五分程度に戻されたからである。
 残ったのはサリーンとセイントシルク。他のユータのキャラは綺麗さっぱり消えてしまっていた。
「さ、さっきの変な名前のスペルの効果は?」
「えーもうちゃんと見てなかったの? いいわ♪ 教えてあげる♪ お互いのキャラで最も攻撃力が高い一体を除いて全部破壊するの。文字通り、二人っきりになっちゃうの」
「へ、へぇ。何か納得しづらい除去だな……」
「またそんなこと言う。あのね、こう想像すると楽しいわよ。ねぇ~んシルクくぅん♪ お姉さん君と二人っきりになりたいなぁ~♪ 他の邪魔なゴミ虫はぁ、全部シルク君の手でやっつけちゃってぇ……♪ お願ぁ~~い♪ お姉さん君に一目ぼれだからぁ~~♪」
「ひ、ひえぇぇ……」
 ユータは思わずのけぞった。今まで一番媚び媚びで煽情的な声色ボイスを受けたから。卑猥に揺れる谷間。男を誘う煽情的な腰つき。口元からぺろりと垂れた舌先。アルルーナの全てがたまらなく蠱惑的だった。
「うふふ♪ シルク君の声が聞こえてきそうよ。はぁ~い僕お姉さんの言いなりですぅ♪ 仲間なんかいらない。聖なる僕があなたをきっと幸せにしますぅ~~♪ ってね♪ あ~んもうアルルーナとシルク君専用でイベント作っちゃおうかしらぁ……はぁん♪」
「ううっ。よ、余計なことはいいから……」
「はぁんごめんなさい♪ あ、今のはサリーンちゃんがいない場合の妄想ね。出した方が一応有利だからぁ……。でもぉ……盤面よりお姉さんシルク君と二人っきりの方がぁ……はぁん♪」
「な、何を言ってるんですか。もうくねくねしないで欲しいです……。そ、そうだ僕のターン。シルクでサリーンを攻撃……撃破! まだまだ僕の有利だと思うけど……」
「うふふ♪ そうかしらぁ。もう9コストまでのキャラを出せるのよ。どんな逆転が起こっても不思議じゃないわ。そして私のターン……あ、ひいちゃった。ふふん♪ 驚くなかれ! 妖艶なるサキュバクイーン、アルミュナミアラ女王様のご降臨よ♪」

 ――お~~~ほほほほほ♪ 全ての男は私の虜になる運命なのよ♪

 一番格の高いレアカードらしく、荘厳なファンファーレと共にアルミュナミアラが登場した。攻撃6体力6と9コストにしてはひかえめだが、その能力が問題だった。
「はい。シルク君をアルミュナミアラの能力でコントロール奪取♪ どんなキャラでも一体を味方にしちゃうのよ♪ サキュバスクイーンらしい魅力的な能力ね♪」
「な、なにぃ。9コストとはいえ卑怯過ぎるよぉ……」
「卑怯とか言わないのぉ♪ そんなこと言ったらディオール君の出し得爆アドカード群の方がよっぽど卑怯よぉ。サキュバスデッキはぁ……。か弱い女の子みたいに繊細なのぉ……。どんだけいじめられてけなされてもぉ、耐えて耐えて耐えまくって最後に大逆転♪ そんなコンセプトのデッキなんだからね。ただぽんぽんキャラ並べてドッカーン! じゃ勝てないのぉ……はぁん♪」
 アルルーナが一気に自分の言いたいことだけをまくし立てた。
 対してユータは完全に窮地に立たされたのだった。
「くっ。僕はまだまだ負けないっ。不屈なる意志で2ドロー……引いたっ! 舞踏双剣――ツバメ返し一閃!」
「ええっ? あららん。二体共除去? はーん本当に運だけはいいのねぇ……。あんでもっ。ふふっ♪ ふふふふ……♪ お姉さん勝っちゃった♪ ユータ君に勝っちゃったぁ♪」
 嬉しさを噛み殺すようにほくそ笑むアルルーナ。まだお互いの盤面は完全に空で手札の枚数は大差ない。それなのに勝ち確信したアルルーナに、ユータは不可解な思いを抱かずにはいられなかった。
「まっ、まだ勝負はついてません!」
「あん♪ どんなに叫んでもわめいても無理なのよ♪ はぁい♪ サキュバスデッキ最後のしあげ――サキュバスドリーム♪」
「ふわ、ふわぁぁ……」
 パッと一瞬辺りがピンクに染まり、フィールドは宮殿からふわふわとした異空間へと変容した。サキュバスドリーム使用時の特殊演出で、甘い夢の世界を表現した専用フィールドなのである。
 続いて空間から染み出るように、夢の住人にふさわしい精の狩人達が姿を現した。
「うわっ! サキュバスレリーナにお転婆サキュバス……。それにアルミュナミアラまで。他にもいっぱい……。こっ、これは……」
「そうよサキュバスドリームの効果がわかったみたいね。10コストで今までに倒されたサキュバスを全て召喚できるのよ。うふふ♪ これは絶対返せないでしょう?」
「うっ、い、いや……」
「考えても無駄よぉ……。甘美な夢の中に取り込まれた人間がぁ、サキュバスの魔力に対抗できるわけないでしょう? ほら見てぇ……。サキュバスのお姉さん達……。ピンクのもやに包まれて、妖しい光に照らされて、今までよりもずっとエロティックでしょう? ほらほらぁ……。じっくり見てぇ……。アルミュナミアラお姉さまなんてぇ……。爆乳ムチムチボインボインよぉ……♪」
「んっ、ああっ。い、言わないでぇ……。むっ、ふわぁぁ……」
 肉感的なムチムチの谷間がずらりと視界を埋める。サキュバス達のモーションは煽情的でいやらしく、ユータの理性を確実に削りとっていく。
 ウインク、流し目、舌なめずり、お尻フリフリ、投げキッス、谷間強調、M字開脚。七体がそれぞれ特有の誘惑モーションで、年端のいかない少年の視界を凌辱していた。
「ほらぁ~お姉さん達が今にも喋りかけてきそうでしょう? ほら早くぅ♪ こっちに来ていいことしましょ♪ お姉さんの体自由にしていいんだからね……♪ なぁ~んてね♪」
「あ、うぁぁ……。でも僕、ま、ま、負けないぞぉ……。最終奥義――ラストジャッジメントスラッシュ! 敵も味方も全部消えてなくなっちゃえ!」
 絶望的な状況と思われたが、ユータはまだ切り札を残していた。味方より敵の数が多い場合、明らかにアドを取れる有力スペルである。
「あ~ら綺麗さっぱり。せっかくユータ君好みのサキュバスお姉さん、たくさん召喚してあげたのに♪」
「も、もうさすがに打ち止めだろう。僕は負けるわけにはいかないんだ……絶対」
 ユータは勝ちを確信したように思えた。10コストも使った切り札のカード。それを超える脅威はもうないだろうという読みだ。後は残ったデッキのカードパワーで押し切れると考えていた。
「くすくす……♪ あはは♪ おかしいわねユータ君。何勝った気になってるのぉ?」
「な、だって。もうそっちのハンドも切れて……」
「あは♪ そんなことないわよ♪ ちゃんとサキュバスドリームの効果を確認した?」
「え? な、何か他にあったの?」
「うふふ♪ もう仕方ないわね♪ じゃあ教えてあげるぅ♪ サキュバスドリーム使用後、フィールドをサキュバスの甘い悪夢に変化させる。この効果は永続し、召喚したサキュバス一体倒されるごとに、サキュバスドリームを一枚デッキに追加する……ですって♪」
「つ、つまりどういうこと?」
「うふっ♪ つまりぃ……こういうことっ♪」
「う、うわぁ――」
 悪夢は再びユータを襲う。必死の思いで除去した盤面が、瞬く間にサキュバス達で埋まったからである。
「一体破壊ごとに、カード一枚デッキに追加だからぁ……。計七枚のサキュバスドリームが手に入った計算になるわぁ……。これでデッキ切れの心配はなし。それにサキュバスを倒せば倒すほどカードが増えちゃうのぉ……。あ~んなんて素敵なフィニッシュカードかしらぁ……はぁん♪」
「ふわぁぁ……。壊れカード過ぎるよぉ……。こんなの僕認めな……」
「あれぇ~? なぁに? 負けないんじゃなかったのぉ? ほらほら~ここから頑張ってみてぇ~♪」
「でも、ここからできることなんてぇ……ふぁぁぁっ」

 ――それそれっ♪ 攻撃攻撃っ♪
 ――女王様の鞭をくらいなさぁ~い♪ お~~ほほほほ♪
 ――お姉さんの手のひら気持いいでしょ~♪
 ――好き♪ 夢の中で愛してあげる♪
 ――ん~チュッ♪ 投げキッスでメロメロだよ~♪

 サキュバス達の一斉攻撃が始まった。うっとり効果により武器も振るえず、ライフもゴリゴリと削られていく。ユータの敗北はもはや必然だった。
「はぅあ。痛い! っていうより……んっ。あんっ。いい……。ああっ! 僕おかしくなっちゃうう――」
「ほらお姉さんに達にさわさわされるのいいでしょう? うっとりメロメロになりながらもぉ……どんどんライフはなくなっていくのよぉ……。サキュバスドリームの中でぇ、快感漬けになって狂いなさい♪ ほらほら♪」
「あっ、んっ♪ ああっ♪ あああんっ♪」
 ユータは女の子のような声でよがり狂った。ライフダメージ以上に精神的ダメージの方が深刻だった。
 いちいち色っぽいモーションで、攻撃されるたびにたぷんと揺れるおっぱい。脳内に響きぽわぁんと反響する萌えと媚びがたっぷりのボイス。周囲をぐるりと包囲されて、逃げ場もないままサキュバスによる甘い蹂躙を全身で受け止めていた。
「はっ、ああん……ふわぁぁぁ♪」
「うふふ♪ そろそろ止めね。ほら、お姉さんの魅力に屈服しちゃいなさい♪ ほら、は、や、く♪ お姉さんの魅力に屈服しちゃいなさい♪ ほら、は、や、く♪ お姉さんの魅力に屈服しちゃいなさい♪ ほら、は、や、くぅ……♪」
「あっあっ♪ ああんっ♪ そんなこと言われたら僕ぅ……」
 大勢は完全に決していた。盤面は掌握。ディオールのライフも1で、本人もメロメロで戦闘意志がない。
「ほらぁ……♪ 負けてぇ……♪ 自分からぁ……♪ 僕はもうアルルーナお姉さんに、一生勝てませぇ~~ん♪ 変なデッキなんかに、絶対負けないって大見栄きってすいませんでしたぁ~♪ ってね♪」
「はぁい♪ ごめんなさいっ♪ 僕の負けですぅ……♪ ごめんなさいごめんなさい……」
「うふふ♪ 可愛い♪ それじゃ早くその降参ボタンを押して♪」
「は、はぁい……♪」
 操られるように指を伸ばすユータ。最後まで逆転の目を狙う、大会優勝者の顔はなかった。甘い悪夢の虜となり、アルルーナの意のままに支配された哀れな少年がいるだけだった。
「そう、そのまま押すのよ……。はい私の勝ち♪ ふふふ♪」
「あっ、あへぇ。あはあは……♪」
「ふぅ疲れた。サキュバスデッキの仕様も上々ね。さ、付き合ってくれたユータ君にはご褒美あげなきゃ♪ ねぇユータくぅん……♪ 早く現実に戻っておいでぇ……♪ ねぇ~ん♪」
 VRヘッドセットがとりはずされる。あのいまわしい空間が、すーっと霧のように消滅していく。
「……はっ。えっ。あっ、僕は……。負けた……の?」
「あ~んユータ君好き~。サキュバスはもう終わり♪ アルルーナお姉さんがもっといいことしてあげるぅ♪ ん~チュッ♪ れぇ~ろっ♪」
「えっ? 何? んっ、んんっ!」
 ユータは面食らっていた。悪夢は終わったはずなのに。現実の世界でも、淫蕩なアルルーナに唇と舌をむさぼられているからだ。
「んっ。えっ、これぇ……。はっ、か、果林さんですか? な、何でそんな恰好?」
「あ~ん気づいちゃったぁ? そうよぉ♪ アルルーナお姉さんのコスプレよぉ♪ これがご褒美♪ もうさっきの試合でオチンチンガチガチなんでしょう? お姉さんが食べてあげるぅ……♪ ほ~らほらほら♪」
「あああんっ♪ オ、オチンチンがぁ……」
 一瞬で衣服をはぎとられ、一気に若茎を咥え込まれていた。濡れそぼった秘所がぐちゅりと卑猥な音をたてて、魅惑の花園へと誘いこんでいく。
「はぁ~ん♪ アルルーナお姉さん好きぃ……♪ んっんっ♪」
「おっぱいも吸っていいのよぉ……♪ 試合中ずっと気になってたもんねぇ……♪」
「う、うん。僕、最初に挨拶されてからおっぱいがとてもとても……んんんっ♪」
 母親の乳房にすがりつくように甘える。ひっしりと頭を抱えられ、抜け出せない母性の網にからめとろうとしてくる。
「はぁ~ん♪ おっぱい、おっぱいがいいよう……」
「そんなにおっぱい好きぃ? ねぇもうおっぱいに勝てない?」
「う、うん! 僕もうおっぱいに勝てません! アルルーナお姉さんに一生勝てません――」
「あーんいい子ね♪ それじゃお姉さんのオマンコに出していいわよ♪ ほらぁ……ぎゅっ♪」
「あんっ♪ しまるぅ……ああああっ♪」
 密着と吸着。そして搾精。サキュバス以上の魔性の力で、獲物となった少年の精液は心と共に搾り取られた。
「あ~ん止まらないぃ♪ ふあぁぁ……」
「うふふ♪ ぜぇ~んぶ出していいからね♪ うっふふふ……♪」



 ――その後。ユータのカードゲーム人生は大いに狂ってしまった。
 特定のデッキに極端な苦手意識を持つようになり、安定した勝率を維持できなくなってしまったからだ。
 今日も待ちに待った大会日。しかしユータのプレイングはさえなかった。
「あっ、ユータ君今日は♪ ねぇ大会の調子はどう? 君のことだから、余裕で勝ち進んでいるんでしょうね?」
「え、あ、その。三回戦で、負けです」
「あらぁ? どんなデッキに負けたの?」
 果林はにやりと意地の悪い笑みを浮かべる。相手のデッキはわかっていた。わかっていて質問したのである。
「サ、サキュバスデッキに負けました」
「ええっ? ユータ君が? アルルーナお姉さんにコントロールされちゃったの?」
「ああっ、コントロールなんてぇ……」
「うふふ♪ ユータ君だって調子悪い時もあるわよ。ねっ……これからホテルで休憩しよっか♪」
「あっ、はぁ……。わ、わかりました」
 少年はこくりとうなずいた。魔女アルルーナに、ねっとりと精神を支配された操り人形そのものだった。



「あああっ! 僕ぅ……負けちゃったぁ……。アルルーナお姉さんにぃ……」
「んっんっ♪ そうまた負けたのねぇ……。でもいいわよぉ……♪ その感情をお姉さんにもっとぶつけて♪」
「あんっ。ああああ――」
 ユータは豊満なお尻を両手に抱え、一心不乱に腰を振っていた。もちろん相手はアルルーナに紛した果林である。大会でそぐわない結果の後、こうしてコスプレセックスするのがもはや常となっていた。
「はぁはぁ。僕頑張ってるのにぃ……。もう全然勝てないよぉ……」
「あ~んどうしてぇ? ユータ君の強さはお姉さんが知ってるのに」
「だってだって。あの白い谷間を見たら、サキュバス一匹でも召喚されたら、僕おかしくなってぇ……」
「うふふ♪ そうなのぉ♪ トラウマ植えつけられちゃったのぉ? でもぉ、よく考えてみてぇ? 現実の相手はアルルーナとは似ても似つかない、はなたれ小僧と小便くさい女の子よぉ……。VR空間の映像なんて、全然関係ないじゃない♪」
「わかっててもぉ……。僕思い出しちゃうのぉ……。脳ミソの奥にべったりぃ……。それでサキュバスドリームまでいつも食らっちゃうのぉぉ」
 かくかくと腰を振りながら、甘えるように声を絞り出す。ユータの苦手意識は深刻だった。頭から振り払おうとしても、どうしてもあの光景がフラッシュバックしてしまうのだ。
「あ~ん僕聞こえてきちゃうのぉ……。感情表現切っててもぉ……。負けてぇ……、屈服してぇ……って。僕おかしくおかしくぅ……」
「別に悩まなくてもいいわよぉ……♪ そのままおかしくなっちゃうなさい♪ ユータ君はぁ、アルルーナお姉様のペットにされちゃったんだからぁ……。現実のアルルーナ様にぃ。ほらぁ……だからもっと腰振りなさい♪」
「あっはぁい♪ 僕おかしくなるぅ……♪ アルルーナ様の一生の虜ぉ……♪ あはあはあはぁ♪」
「ああ~ん♪ 前途ある少年がぁ、私の誘惑で狂っちゃうぅ♪ あんでもいいわよねぇ♪ 少年チンポつまみ食いするの大好きだからぁ……♪ ほらもっと腰振るのぉ♪」
「はぁんお姉さんお姉さんんっ♪」
 ユータは射精し続けた。アルルーナの作り出す、サキュバスドリームは永久に終わらないのである。




  1. 2016/06/29(水) 21:09:39|
  2. SS
  3.  | トラックバック:0
  4.  | コメント:1

マーロックがくねくねしながら誘惑してくる姿を幻視してにやにや
シャドバのヴァンパイアすごくいいの揃ってるんですが難しいですね
  1. 2016/06/30(木) 11:58:20 |
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